岐阜の県木といえば!

こんにちは!
皆さんは岐阜の県木(けんぼく)をご存知でしょうか? 


まず県木というのは、県にはそれぞれ「花」「木」「鳥」「魚」「獣」など、その地域のシンボルとなるものが存在します。たとえば………
・愛知県は「ハナノキ」
・三重県は「神宮スギ」
・長野県は「シラカバ」
……と県木はその中でも各都道府県を代表する郷土の木という事です。

それならば、岐阜の県木はなんでしょうか?
サムネで気付いた方もきっといるかもしれませんが、
岐阜の県木はイチイといいます。

イチイはイチイ科イチイ属の常緑樹で葉の形が針状葉という針のようにトゲトゲとした形が特徴的な木です。
常緑なので一年中緑の姿を保ち、お社様などにも植わっています。
秋(9月頃から10月頃)には赤くて小さな実を付ける事でも知られています。

【実(み)は危ないイチイ?】

実は仮種皮(かりしゅひ、かしゅひ)と呼ばれ食べることが出来ますが、中の種には心臓毒の一種である「タキシン」という強い毒があり最悪の場合心臓麻痺を引き起こす恐れがあるので、食べないことをお勧めします。
また毒があるのは実だけじゃなく樹液の部分などにも毒性があります。
タキシンは皮膚からも吸収されるため、手入れをする場合は皮膚につかないよう、しっかりと手袋をしなければいけませんね!

【イチイの名前】

イチイは漢字で「一位」と書きます。
平安時代に菅原道真がこの木でつくられた当時位の高い人が持っていた細長い棒、「笏(しゃく)」を当時の天皇に献上したところ、その笏の質がとても良くたいそう気に入った結果その木に「正一位(しょういちい)」の位を与えたことから一位の木と呼ばれるようになったという伝説があります。
一位の位は当時の律令制度における最高位の位階です。

面白いことにイチイには名前が各所で呼ばれ方が異なり、
別名 オンコやアララギと呼ばれることもあります。

アララギといえば、イチイを使った「一位一刀彫(いちいいっとうぼり)」で有名な飛騨・高山市の方面で呼ばれている言葉です。
一位一刀彫は仏像や動物、能面や置物などいろいろなものが大小様々なノミ一本で創り上げる技術で、
イチイの赤太と白太を使い分け形、木の持つ自然の色や風合いを活かし他の色彩を施さない無彩色の仕上げが特徴的です。
高山藩(当時の飛騨地方)には、幕末直轄の技術者である「飛騨の匠」が多くおり、その木工技術が今の一位一刀彫に繋がり、江戸時代末期に、彫刻家の松田亮長平田亮朝らによって全体に知名度が広がっていきました。
昭和50年5月10日に国の伝統工芸品に指定され、美術品や贈答品としても多くの人気があります。

高山市の駅前にある一位一刀彫で作られた手長足長

【イチイの木材】

イチイは1~20mにもなる木ですが、成長がとても遅い木で大径木が非常に少ないため大きいサイズの物は非常に貴重です。
イチイは材や質感も特徴的です。
芯材は赤みがかった色をしており時間が経つにつれ飴色のようなつやのある美しい色に変化していき、辺材は黄白色で淡い色をしています。
木目は非常に細かく緻密で、つや滑らかさがとても美しいです。
また非常に粘りがあり割れにくいのですが、刃物の通りが良いため加工がとてもしやすい木になります。
そして年輪幅が細かく均一な材程、高級品として使われています。

実際に扱っているイチイ

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