【気になる質問】
Q:ヒバとアオモリヒバって何が違うの?
ヒバの香りが好き!というヒバを目当てに来られたお客様に「調べてたんだけど、この木は同じ木なの?それとも違うの?」
という質問を頂きました。
同じ木なのかどうかという質問はなかなか難しい質問なのですが、生物学上の学名はほぼ同じで、アオモリヒバはヒバの変種とされています。
基本的には同じではありますが、変種なので木の性質などは少し違いが出てきます。
簡単に分かりやすく例えると、「リンゴ」といっても品種がたくさんあるようなものです。
他の例えであればスギとヤクスギもです。
スギとヤクスギというと本当に同じ木なの?
と、なんとなく違うイメージがあると思いますが、学名上は同じ「Cryptomeria japonica」なので、こちらも同じ木だといえます。
しかし、育った環境が違うと木は変化をするので、違いが出てきます。
ここで一つ疑問が出てくるかもしれませんね。
「ヒバ」や「スギ」などのように同じ樹種名がついていれば同じ木なの?
そんなことはありません。
まず、一つめの例としてシラカバとマカバです。
こちらは科名は同じですが、学名は違うので、生物学的には違う木といえます。
また、ヤマザクラとミズメザクラ。
こちらは科名も違う全く別の木です。
ヤマザクラはバラ科、ミズメはカバノキ科。
ミズメザクラの正式な和名は「ミズメ」なのです。
なぜこんなことになっているかというと、実は木材にしたときの色合いが似ているからなんです。
知名度があると売りやすいので、市場で名前を変え売り出したりすることがあります。
それが定着し、木材業界ではミズメのことをミズメザクラと呼びますが、定着しすぎて、案外ミズメのことを本当にサクラの仲間だと思っている人は割といます。
ちなみにこれは外材でも言えます。
ウォールナットに似ているだけで、ウォールナットとついたり、チークやチェリーやメープルなども例にもれず、実際の名前は関係なく木材にした時の色味や木の感じで名前が付けられていることも少なくないのです。
他にも「カシ」や「マツ」などは科名なので、カシと一口にいってもたくさんあります。
カシには「アラカシ」「シラカシ」「ウバメガシ」「イチイガシ」などがあります。
マツも「アカマツ」「カラマツ」「クロマツ」「ヒメコマツ」などがあります。
こうやって書き出してみると、なかなか正式な学名もとい和名で呼ばれている木はなかなかないようにも感じます。
世間的に本当の樹種名の特定が求められているのかどうかわかりませんが、なんとなく自分が買う板の本当の樹種名は知っておきたいですよね。
もし自分が買われる板のことで、うんちくや豆知識等知りたいとのことでしたら、是非一度スタッフにお声がけください。