【気になる質問】
Q:厚みのある板をスライスして二枚にすることはできますか?
名古屋からわざわざご来店頂いたお客様からそんなことを聞かれました。
同じような板が二枚欲しいとのことだったので、何枚か双木をご覧いただいておりました。
そんな中に1枚だけ分厚い板があり、それをみて、こんなご質問を頂きました。
しかし。結論からいうと、基本的にはできません。
二枚に割ることができるかどうかというと、できないわけではありません。
しかし、リスクがあるのです。
今日はそんなことを少し書いていきたいと思います。
では、一体どんなリスクなのでしょうか。
板になっている原板の状態の板は、基本的に60-80mmの間で製材されます。
これは、乾燥後の反りを直すことを考えて厚みが50mm程度でおさまるようにと考えられています。
では、厚みが60-80mmを半分にすることができるのでしょうか。
厚みが60mmから80mmの場合。
もし仮に二丁取りするとしたら、出来上がった厚みは60mmの場合30mm。80mmの場合は40mmになります。
しかしこれは単純に考えた場合で、反りが少なからずあるため、水平にしようとすれば30mmはどちらもきる可能性が大変高いです。
一枚板で30mmをきると、割れや反りのリスクも高くなり、結果的に長く使える一枚板として使用できない可能性があります。
また、板を横切りにする際に必ずまっすぐ半分に切れるということはありません。
木の圧力で少なからずどちらかによってしまうからです。
なので、総合的に見ても厚みのない板になってしまい、結果的に二枚とも使えない可能性が高くなってしまいます。
そして厚みが100mmの場合です。
まず、100mmに製材されて板になったという状態がすでに何らかの理由がある可能性があります。
通常70-80mmでひくはずのものをわざと厚くひいたということは、中心の芯の部分を含んでいたり、割れや反りの可能性が高いので、わざと厚く引いて板の動きを止めていると考えるのが自然です。
そんな板を半分の50mmで二丁取りするとなると、おそらく割れる可能性、反る可能性は十分に考えられます。
どちらにしても、スライスして2枚にするということは基本的にできないと考えて頂いた方がいいように思えます。